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思いついたらやんなきゃね!!思い立ったら吉日って言うしね!!
では、以下小話畳みますー。
はじまりは、雨。
―――――初めてボスと逢ったのは、あの雨の日の夕方。
「・・・・お前、何してんだ?こんなトコで。」
不意に上から声をかけられて、地べたに座っていた私は雨でぐっしょり濡れて重くなった前髪を掻き上げて上を見た。
前に立っていたのは、私と同い年か少々年下ほどの年齢の黒髪の少年。
まだ幼い顔つきの中にも、凛々しさと己の意思の強さを秘めた鋭い視線に、一瞬で私は射抜かれた。
雨に降られて全身びしょ濡れの私に、彼は持っていた紺色の傘を差し出して。
「風邪引くぞ。それとも、わざと引きてぇのか?」
その言葉に、長い間雨の中にいたせいで震える唇から声を発せずに私が呆然と彼の事を見つめていると。
彼は、もう一度ズイと傘を押し付けるように前へ出して、少々苛立った風に言った。
「とにかく、受け取りゃいいんだよ!お前は風邪引きたいのかもしんねぇけど、それ見ちまった俺は何となく気分悪いだろうが!」
と、結構自分勝手な事を言って、膝を抱える私の手を無理矢理掴み、傘の柄を中に捻じ込ませた。
私の頭上に傘があるという事は、彼が濡れるという事。
なのに、不安気に私が改めて彼を見やると、雨の中だというのに満足そうに彼は笑っていた。
その笑顔を見た瞬間、私は思ったのだ。
ああ、私は彼についていきたい・・・と。
*****
「・・・・あ?そんな事あったか?」
「・・・・・・・ありましたよ。覚えてらっしゃらないんですか?」
「覚えてねぇよ、ガキの頃の事なんざ。」
「・・・・・・・全く、素直じゃないですねぇ。」
「どういう意味だ、コラ。」
その穏やかな表情は、覚えている証拠。
・・・・・・・なーんてね!なーんてね!!
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